言語聴覚士とはどんな職業?

言語聴覚士とは、病気や発達障害などでコミュニケーションをとることに障害を持っている人に対して、リハビリテーションを指導したりサポートを行ったりすることを専門としている職業です。
何らかの原因で発音や発生が上手にできなかったり、相手の話している内容を理解できなかったり、耳が不自由なために話がわからないなど、言語や聴覚に障害を抱える人はたくさんいるといわれています。
言語聴覚士の仕事は、発生すること、聞くこと、会話をすることがうまくできない人たちの原因を突き止め、訓練することです。
このほかにも、嚥下訓練や聴覚機能を補助するための人口内耳の調整も行います。
嚥下訓練というのは、飲み物や食べ物を飲み下すことが困難である人に行う飲み込み方の訓練です。言語聴覚士は、嚥下機能を維持し回復することを目的に訓練を行います。
高齢化の進む社会の中にあって、脳卒中を原因とする失語症や、嚥下障害や、難聴などの障害に悩まされる人の数は増えています。
言語聴覚士は、このような障害の問題を抱える方々の機能回復を助ける職業としても期待されているのです。
言語聴覚士の主な就職先としては、病院などの医療機関をはじめ、身体障害者福祉施設や、老人保健福祉施設や、養護学校や聾学校などがあげられます。
言語聴覚士は、障害者の方がコミュニケーションを行うために、検査や指導や訓練を何度も繰り返します。
障害者の方の発声や言語の機能、聴覚の機能を維持し向上するためには、一人一人の状態を深く理解し接する必要があります。
コミュニケーションを行うことは人間にとって大切なことです。言語聴覚士は、この人間として大切なコミュニケーションの回復という援助のできるすばらしい仕事であるといえます。

言語聴覚士になるためには?

言語聴覚士になるためには、国家試験を受け合格しなければなりません。
言語聴覚士国家試験は、毎年2月上旬の土曜日(第10回言語聴覚士国家試験は平成20年2月16日行われました)に実施され、合格発表は3月下旬に行われます。試験の日程などの詳細は、毎年9月ごろ厚生労働省から発表されます。試験は財団法人医療研修推進財団が行い、受験申込みや問合せなどもこちらに行います。
合格率は40%から60%くらいで年によってばらつきがあります。
試験科目は、基礎医学、臨床医学、臨床歯科医学、音声・言語・聴覚医学、心理学、音声・言語学、社会福祉・教育、言語聴覚障害学総論、失語・高次脳機能障害学、言語発達障害学、発声発語・嚥下障害学、聴覚障害学の12科目です。
高校を卒業した人や卒業予定者であれば、文部科学大臣が指定した4年制大学か3年制短期大学、あるいは厚生労働大臣が指定した3年制か4年制の言語聴覚士を養成する専修学校に入学して知識や技術を学び卒業資格を得て国家試験を受験することが最短ルートでしょう。
既に4年制大学を卒業している人であれば、2年制の専修学校で学び国家試験の受験資格を得て受験することができます。
言語聴覚士は、基礎医学や臨床医学や心理学、音声学や言語学、言語聴覚障害学総論など、人がコミュニケーションととるために必要なさまざまな分野を学びます。また、臨床実習を病院や福祉施設などで行います。
このようなことから、言語聴覚士の通信教育や講座はなく、大学か専門学校で通学して学ぶ必要があります。

言語聴覚士の現状

言語聴覚士は、医療機関や社会福祉施設や介護施設などのほか教育機関でも必要とされる職業です。
しかし、現実には、多くの言語聴覚士が必要であるはずの医療分野においても、求人の数は、作業療法士や理学療法士などと比べて非常に少なくなっています。
現在の求人数は地域により異なりますが、募集数は多くはないようです。給料面においても、他の医療関係の職業から見ると年収は高いとはいえません。
言語聴覚士の求人が少ない理由には、作業療法士や理学療法士と比較すると、名称や実績が知られていないことや、国家試験が開始されたのも1997年と新しいことがあげられます。
加えて、2002年度までは言語聴覚士は理学療法士等と比べると健康保険における診療報酬がとても低かったのです。
病院ではこのために、言語聴覚士の採用を見合わせていたのです。
2002年の改定を受け、理学療法士などと診療報酬が同額となったことなどから求人が増えてきました。
しかし、作業療法士や理学療法士が勤務している病院では、新たに言語聴覚士の採用は難しい状況にあるといいます。
このような状況に加え、介護保険では2003年までは、言語聴覚士がデイケアでリハビリテーションを行っても介護報酬が認められていなかったのです。
2003年4月になって介護報酬が認められるようになりましたが、訪問によるリハビリテーションでは報酬が出されていないのが現状です。
このような事実も、言語聴覚士の採用の大きな妨げとなっています。
紹介したように、法制化の遅れは言語聴覚士のリハビリテーションの実績評価が正しく行われないことにつながったように思えます。
言語聴覚士を必要としている人はたくさんいます。
今後、言語聴覚士の仕事が正しく理解され、評価されるようになれば、その地位や報酬も向上し、将来性もある職業になるのではないでしょうか。

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